徳川美術館

【動画】徳川美術館  制作:2010年

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徳川美術館新館

徳川美術館は、徳川家康の遺品を中心に、初代義直(家康九男)以下代々の遺愛品、いわゆる「大名道具」1万数千件を収める美術館です。 国宝「源氏物語絵巻」をはじめ、国宝9件、重要文化財59件など、当館ならではの種類の豊富さ、質の高さ、保存状態の良さを誇ります。
(徳川美術館公式ウエブサイトより)

※以下の文章は徳川美術館副館長(2010年当時) 四辻秀紀氏にインタビュー取材した内容を要約したものです

徳川美術館のはじまり

(尾張藩)二代藩主光友が隠居した大曽根屋敷があった場所に徳川美術館は建てられています。
明治時代になりまして藩籍奉還で住居を(名古屋城から)大曽根の屋敷の跡に定めます。もちろん東京にも屋敷を造りますが、国表の屋敷としては大曽根屋敷跡に造りました。

関東大震災以降の恐慌で、各大名家が先祖伝来の重宝類を売り出してゆきますが、「どこか1つでも大名の文化や生活を後世に残さなくてはいけない」と提唱したのが尾張徳川家十九代の義親という殿様でした。
しかし、誰もその申し出に迎合しようとしませんでした。それでは自分の所で残そうと思いますが、自分の代はいいが孫子の時代になって売り払うことがあっては困るということで、昭和6年(1931年)に財団法人(徳川黎明会)を設立し、伝来の重宝類を一括寄贈して、それを公開する施設として美術館を建設し、昭和10年(1935)秋にオープンしました。

コレクションについて

尾張徳川家という大名が収蔵していた実際の生活の場で使っていた道具類がこの美術館のコレクションの特長です。
私立に限っていうと近現代の実業家の目を通して集めたコレクションがほとんどですが、ここは尾張徳川家という大名が実際の生活の場で使ってきた様々な道具を所蔵しています。しかも徳川家康が晩年に駿府城で持っていたものを御三家、尾張、紀州、水戸で分けるわけですが、これを駿府お分け物と言っています。実はこれがこの美術館のコレクションの中核です。
それから歴代、義直から始って幕末までの当主やその家族たちが実際の生活のなかで使って様々な道具をそっくりそのまま収蔵しているのがこの館です。大きく分けると公式の場で使う表の道具、それからプライベートな空間で使う奥の道具に分かれています。

常設の展示室は、開館50周年の時に愛知県、名古屋市、地元の財界、さらに一般の方々からも寄付、当時の金額で26億円という御浄財をいただきまして新しいギャラリーを造っていただきまして、そこで「大名道具とはいかなるものか」ということを五つの部屋でご紹介しています。
1~4までが「表の道具」、第5の部屋が「奥の道具」の展示を行っています。(第6展示室は王朝の華-源氏物語絵巻) そこでご紹介できないものを特別室で企画しまして、本館展示室(昭和十年に建てられた旧館)の7・8・9という展示室ですが、こちらで様々な企画展、特別展を開催しています。

地図

展示室の紹介

  • 第一展示室(新館) 武家のシンボルー武具・刀剣

    第一展示室(新館) 武家のシンボルー武具・刀剣

  • 第二展示室(新館) 大名の数奇ー茶の湯

    第二展示室(新館) 大名の数奇ー茶の湯

  • 第三展示室(新館) 室礼ー書院飾り

    第三展示室(新館) 室礼ー書院飾り

  • 第四展示室(新館) 武家の式楽ー能

    第四展示室(新館) 武家の式楽ー能

  • 第五展示室(新館) 大名の雅びー奥道具

    第五展示室(新館) 大名の雅びー奥道具

  • 第六展示室(新館) 王朝の華ー源氏物語絵巻

    第六展示室(新館) 王朝の華ー源氏物語絵巻

  • 昭和十年に建てられた旧館

    昭和十年に建てられた旧館

  • 本館展示室(旧館)ー様々な企画展、特別展を開催

    本館展示室(旧館)ー様々な企画展、特別展を開催

文化ゾーンにしてゆきたい

(徳川園が)2004年秋に、名古屋市を中心に、みなさんのご協力により大名庭園に生まれ変わりました。蓬左文庫の方もリニューアルいたしまして、徳川美術館のギャラリーと展示室を一体化するなどしまして、総合的に道具だけでなくて本もあり地域環境といったものも含めまして、みなさんに深く、広く、様々な地元の歴史を学んでいただく。
ここへ来ていただければ江戸時代のことが、あるいは日本のもっと古い文化も分かるといった文化ゾーンにしてゆきたいと思っていますし、またみなさんもそういった意識でお出かけいただければと思います。

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